髙橋大輔&村元哉中の覚悟。逆境を跳ね返したアグレッシブな攻めの姿勢 (4ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • 能登 直●撮影 photo by Noto Sunao(a presto)

 トップアスリートかどうかは、苦難に遭った時にわかる。正念場で戦い抜けるか。何かをつかみ取るには、どうしても覚悟を試されるが、ふたりは見事に試練を力に変えた。

 村元は病院に直行し、詳しい検査を受けるという。膝は夜になって、腫れるかもしれない。本来なら安静がベターだが......。

「大丈夫です」

 村元は気丈に言った。髙橋はそれをじっと聞いていた。ふたりはすでにカップルだ。

「どのカップルにもない個性を、自分たちで作っていきたいです。理想は、どんなお客さんにも感動してもらえること。それにアイスダンサーが憧れるアイスダンサーになることで」

 カップルを結成した時の髙橋の言葉だ。試練はまだまだ続くはずだが、その一歩を踏み出した。

 12月27日、フリーダンスは『ラ・バヤデール』を舞う。リズムダンスとは打って変わって優雅なバレエのイメージ。主人公の悲恋の物語を、氷の舞台でふたりが作り出す。

4 / 4

関連記事

キーワード

このページのトップに戻る