坂本花織、構成変更で高得点獲得。全日本での紀平梨花との好勝負に期待 (2ページ目)
ジャンプが3本しかないSPは、ひとつのミスが大きく足を引っ張ることになる。そのため、どの選手も難度を上げることに消極的になりがちだ。だが今季の坂本は、4回転やトリプルアクセルの大技こそ控えたものの、プログラム全体の質を上げようとしている。そういう状況だからこそ、ルッツを入れ、なおかつ連続ジャンプを最後にするという、一気にレベルを2段階上げる挑戦ができたのだろう。
SPで坂本は、2本目の3回転ルッツで2.01点、3本目の3回転フリップ+3回転トーループは1.91点の加点をもらう出来を見せた。2本のスピンとステップはレベル3と取りこぼし、演技構成点についても9点台はなく8.90点が最高と伸び切らなかったが、75.60点で首位発進。「連続ジャンプは最初のフリップが上がり過ぎたのでやばいと思ったが、練習で跳べているので自信を持ってやりました。この大きな舞台でこの構成を成功できたのは、大きな自信になります」と笑顔で話していた。
フリー演技の坂本。ほぼノーミスで演じ切った 翌日のフリーでは、新たな挑戦で得た自信がさらなる好結果につながった。今季で3シーズン目となる『マトリックス』は、不調だった昨季は納得いく演技ができず、シーズンベストはフランス国際の135.16点。今季初戦の近畿選手権では143.47点を出したとはいえ、小さなミスがあった。だが今回は、3本目の3回転ルッツも踏み切りの減点を取られることなく、1.53点の加点を得た。SPにルッツを入れたことで、これまで以上にエッジに気をつけながら練習できた成果だろう。
「連続ジャンプにした3回転フリップは、2本とも回り過ぎたのでその後のコンビネーションを付けるのが怖かったですが、加点をもらえるジャンプにできたのでよかった。出せるものは、全部出せたかなと思います」
フリーをノーミスで滑り、自己最高の153.91点を獲得。「去年はフリーをクリーンに滑っったことがなかったので、ノーミスならこんなに点数が出るんだというのを実感できました」と、明るく語った。
2 / 3