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鍵山優真と佐藤駿の一歩も引かない進化合戦。今季3回目の対決に注目 (2ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • 能登 直●撮影 photo by Noto Sunao(a presto)

東日本選手権フリー演技の佐藤駿東日本選手権フリー演技の佐藤駿 だが、次の東日本選手権では崩れた。SPは最初の4回転サルコウの着氷後にタイミングをうまく取れずに、3回転トーループが2回転になった。その後、慎重になり過ぎて4回転トーループが2回転に、さらに最後のトリプルアクセルもミスし、流れに乗り損ねる怖さを経験した。フリーは関東選手権後にニコル氏振り付けの『アバター』に曲を変えたばかりで、滑り込みが足りず、後半のジャンプがすべて崩れてしまい2位で終えた。

 その東日本で優勝したのが佐藤であり、関東選手権で大崩れをして鍵山に88.79点差をつけられる惨敗を喫した雪辱を果たした。佐藤は今季、4回転で勝負するとともに、SP、フリーともにブノワ・リショー氏振り付けのプログラムを演じ、難しいつなぎなども丁寧にこなして表現力の向上を目指している。東日本のSPは4回転ルッツがアンダーローテーションになって転倒したが、それ以外はきっちり決めて81.84点を獲得。フリーは4回転3本でミスし2回転倒したが、4本目の4回転トーループ+2回転トーループから立て直し、合計229.18点とした。

 ともに高難度のジャンプにはまだ不安が残るが、その後の練習で滑り込み、プログラムの完成度を高めているはず。互いに相手より一歩でも早くレベルを上げようとしている彼らの今季3回目の対決が楽しみだ。

 しかし、先輩たちが手をこまねいたまま見ているわけはない。10代の後輩ふたりに対抗する筆頭は、2018年の世界選手権5位の実績を持つ友野一希だろう。近畿選手権はSP86.47点とまずまずの出だしだったが、フリーは4回転に苦しみ、優勝はしたものの215.61点にとどまった。西日本選手権も4回転サルコウが不発で212.92点の2位。まだ調子は上がってきていないが、きっかけをつかめば一気に復調するはずだ。

 その西日本を221.22点で制したのが山本草太。ケガによる長いブランクから昨季戻ってきた彼は、今季はSPで4回転2本とトリプルアクセル、フリーではトーループ2本とサルコウ1本の4回転3本を入れる構成で臨んでいる。「上しか見ていない。追いつけるように努力する」という気持ちが、どこまで4回転ジャンプの質を上げているか楽しみだ。

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