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樋口新葉、トリプルアクセル着氷。日本女子の競争がヒートアップ! (2ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • 能登 直●撮影 photo by Noto Sunao(a presto)

演技後、笑顔を見せる樋口(左)演技後、笑顔を見せる樋口(左) 
 本番の3日、「久しぶりの試合で緊張していた」という樋口だが、最初に挑んだトリプルアクセルは回転充分のジャンプで、片足でしっかり着氷。だが、尻が下がる体勢で堪える形になり、動きを制御できずにターンしたためGOE(出来栄え点)は1.60点減点される結果だった。さらに、中盤の3回転ループと最後の3回転ルッツで1回転になるミスをし、スピンでもレベルを取りこぼして合計は123.01点。チームとしては優勝したが、個人では本田真凛の欠場で急遽代役出場となった山下真瑚に3.93点負ける不満の残る結果になった。

「今回はとりあえず、トリプルアクセルを片足で降りることを目標にしていました。オーバーターンになってしまってバシッとは決められなかったけれど、転んだり回転不足になったりせずに降りられたのでよかったと思う。ただ、試合では跳べたか、跳べないかの100点と0点しかないので、その点では今日は0点でした。練習で100点にして試合に持っていきたい。次の大会へ向けては、しっかり加点がもらえるように練習をしていきたいです」

 トリプルアクセルをこう振り返った樋口だが、演技全体については「絶対にミスをしたくない」と考えていた他のジャンプでの失敗を悔しがった。

 今季はプログラムも2シーズン目で、つなぎの滑りやステップの目線、指先の動きといった細かなことも意識し、プログラム全体の完成度を高めようとしている。細部まで意識する滑りの中で、シーズン初戦ということもあり、失敗した2本のジャンプは少し集中力が切れてしまったのかもしれない。だが、それ以外の3回転ルッツ+3回転トーループ、3回転サルコウ、後半のダブルアクセル+3回転トーループ、3回転フリップからの3連続ジャンプは余裕を持って跳んでいた。その点では、2本のミスもこれから修正できる範囲と言えるだろう。

 昨シーズン、夏場にケガをして出遅れた樋口は、その時点で目標を全日本選手権へと切り替えた。食事などを見直した体づくりにも取り組み、全日本で2位という結果をしっかりと残した。

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