2020.10.05

本田紗来、ジュニアデビュー。涙を堪えて13歳はスケートと向き合う

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • 坂本清●撮影 photo by Sakamoto Kiyoshi

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10月3日、フィギュアスケート近畿選手権ジュニア女子フリーで演技する本田紗来
 桃色を基調としたドレスは、胸元に花模様をあしらい、腰には帯のようなデザインが入って裾はふわりと揺れ、東洋的な装いの愛らしさがあった。

「SAYURI」

 フリーで使用したプログラム曲をイメージした衣装なのだろう。アメリカ人が創作した東洋人女性の踊り子を描いた映画「SAYURI」の曲だが、リンクの上ではひらりと華やぐような気配が漂った。それを着こなすだけの晴々しさが見えた。自身のジュニアデビュー戦を祝福するようにーー。

 しかし、演技後の表情は厳しかった。

「今日(4日)も、昨日のショート(の失敗)からの切り替えができなかったです。ショートは緊張と不安で(演技が)縮こまってしまったので。その失敗を引きずってしまったのか、フリーは思い切りいきすぎたというか、気持ちが強く出過ぎてしまった。緊張に負けてしまいました」

 13歳で、思った以上の重圧を受けていたのだろう。世界ジュニア女王でセンス抜群の長女、本田真凜、人気若手女優でシニアスケーターデビューする次女、本田望結の妹として、世間から否応なく注目を浴びる。競技者として、年端のいかない少女が、心身ともにバランスを取るのは簡単ではない。

 本田紗来は、スケートに向き合っていた。