本田紗来、ジュニアデビュー。涙を堪えて13歳はスケートと向き合う (3ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • 坂本清●撮影 photo by Sakamoto Kiyoshi

 スコアは、65.42点と14位に終わった。順位は挽回できず、総合で16位と低迷。演技後は落胆が表情ににじみ出ていた。西日本選手権に進めるのは、上位12人のみ。長男である本田太一も含め、本田一家全員で全日本へ、という夢には届かなった。

「兄ちゃん(本田太一)の引退シーズンだったので。気持ちが入りすぎてしまったのはあって。これからスケート人生とどう向き合うか。大きな壁があると思うので、それを自分の力で破れるように」

 本田は言う。13歳は、現実と対峙していた。

「去年からずっと成績が下がっていて...」

 リモート会見、込み上げてきそうになる涙を堪えることで、その声は微かに震えていた。

 2017年、本田はノービスBで華々しく優勝し、18年にはノービスAで2位になっている。そのポテンシャルの高さが、関係者の間でも評価されてきた。ただ、19年にはノービスAで4位と一歩後退。20年は、岐路に立っているのだろう。

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