世界国別、日本の連覇には宇野の復調と紀平のトリプルアクセルが不可欠 (2ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • 能登直●写真 photo by Sunao Noto(a presto)

 気をつけたいのはSPでの取りこぼしだ。トゥクタミシェワや好調時のテネルは、ともに70点台を出す力を持っているだけに、ミスをするとここで差を広げられてしまう。とくに紀平は、トリプルアクセルを確実に成功させて、いい滑り出しをしたいところだ。フリーで要警戒となるのは、トリプルアクセルを武器にするトゥクタミシェワになるが、紀平と坂本は最低でも総合3位以内を確保したい。

 男子では、世界選手権を連覇したネイサン・チェンと3位のビンセント・ジョウを擁するアメリカが、強力な布陣で臨んでくる。チェンには、世界選手権での演技を再現するすばらしい滑りを期待したいが、日本が世界王者のチェンに対抗して優勝争いに加わるためには、宇野昌磨の復活が必要だ。

 世界選手権で4位だった宇野が、メダルを逃した失意からどこまで立ち直っているかだが、彼が本来の力を発揮すれば、チェンとも接戦に持ち込めるはずで、ジョウの上に確実に立てる。もうひとりの代表の田中刑事は、今季なかなか力を出し切れず、世界選手権でも14位だったが、シーズン最後の試合でどれだけ意地を見せられるか。ふたりの奮闘が、日本が優勝争いに絡むためのカギになる。

 そのほか、カナダのキーガン・メッシングは世界選手権15位ながらも、グランプリ(GP)ファイナルでは5位と、台風の目になる可能性がある。田中もセカンドグループの中では上位に行ける力を持っているだけに、ノーミスの演技をすることが必要だ。

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