浅田真央以来の快挙。15歳山下真瑚は
世界女王の隣でも「普通」の強心臓 (2ページ目)
笑顔を見せて素直に喜ぶ山下だったが、記者から「元世界女王の2人(3位はエフゲニア・メドベデワ)と一緒に表彰台に立っての感想は?」と聞かれると「意外と普通。自分的には何か気になったりはしなかった」と、マイペースな一面も見せた。
山下は7歳でスケートを始めた。きっかけは荒川静香のイナバウアーを見て「自分もやってみたい」と思ったことだという。今春、中京大中京高校に入学した1年生。どちらかといえば遅咲きのスケーターと言え、ジュニア時代は主だった大会での優勝はない。ただし、表彰台の常連で、実力的には一目置かれる存在だった。ジュニアGPの大会でも、出場したすべての試合で表彰台に立っているが、一度も優勝はなかった。
武器は「どんな大会でも緊張しない」という強心臓ぶりと、スピードがあって軸がしっかりした、高さと幅のあるクセのない安定感抜群のジャンプだ。シニア勢の表現力にはまだ及ばないものの、今季のSP『セビリアの理髪師』とフリー『蝶々夫人』の演技は、まずまずの評価をもらっている。実際、スケートカナダのフリーの演技構成点は、トップだった演技派メドベデワの70.56点に次ぐ65.09点だった。
スケートカナダの翌日、山下は試合をこう振り返った。
「やっぱり全然シニアになじめていないというか、まだ追いついていない部分がたくさんあったので、もっと練習しないといけないなと思いました。スケーティングの質だったりとか、曲の取り方だったりとか、(コーチから)すごく言われていて、でもやっぱりシニアの方たちと滑ってみて、それ(課題)がもっとよくわかりました」
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