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羽生結弦が今季プログラムに込める、尊敬する2人のスケーターへの思い (2ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi 能登直●撮影 photo by Noto Sunao(a presto)

 羽生の今季のプログラムSPの『秋によせて』は、ジョニー・ウィア(アメリカ)が2006年トリノ五輪前からフリープログラムで使っていた曲だ。また、フリーの『Origin』は、エフゲニー・プルシェンコ(ロシア)が2003-04シーズンのフリーで、9人のジャッジが芸術点で全員満点を出した歴史的なプログラム『ニジンスキーに捧ぐ』で使用した3曲中2曲を使ったもの。ともに羽生が幼い頃に大きな刺激と影響を受けたスケーターの使用曲だ。

「自分自身が滑りたかった曲でプログラムを作っていただき、そして自分ができるプログラムの構成を入れ込んでいただいているので、このプログラム自体は自分が楽しむという気持ちが強く出ていると思います」

 こう言う羽生は、SPで難しいジャンプの入り方にこだわるように、フリーでは4回転トーループ+トリプルアクセルにこだわる。それは、まだ世界で誰も跳んでいないからということではない。

「今はほぼスコアに縛られることなく演技ができているので、そういう意味では自分ができる最高のジャンプを...。つまり、点数的にどうこうではなく、自分ができる最高のコンビネーションジャンプとなると4回転トーループからのトリプルアクセルになるかなと思うので、やろうと考えました」と羽生は言う。

 オータムクラシックのSPの後、羽生はこう話していた。

「GOE(出来栄え点)が7段階から11段階になったことを考えているというわけではないですが、アクセルにしてもトーループにしてもサルコウにしても、このプログラムだから自分ができることを盛り込みたいなという気持ちは大きいですね。今回の4回転サルコウはダブルスリーというかスリーターン2回から入っていますけど、それはハビエル(・フェルナンデス)がやっていることで、彼も(ウィアやプルシェンコと同様に)自分にとって大事な人なので、そういうところも取り入れているんです」

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