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羽生結弦は冷静に、勝つべくして勝った。
番記者が見た五輪V2の裏側 (4ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • photo by JMPA/Noto Sunao

「サルコウもトーループもアクセルも、3回転ジャンプもすべて、何年もやってきているのでやっぱり覚えていてくれました。右足でルッツを跳ぶのが一番大変だったけど、やっぱり右足が頑張ってくれたなという感じです」

「いろいろな4回転ジャンプを跳ばなければいけない」と思ったのは、間違いなくボーヤン・ジン(中国)の4回転ルッツを見たからだという。さらに、故障によるブランクを経て迎えたシーズンにもかかわらず、4回転ループを跳ばなければいけないと思ったのは、一緒に練習をするハビエル・フェルナンデス(スペイン)の完成度の高い演技を見たからだ。世界王者にとって、ライバルたちの演技が刺激になった。

 飽くなき進化への希求。それは羽生の"荒ぶる心"の現れだ。だが今回は、そんな心を抑えて、冷静に戦った。それは平昌五輪が、勝利だけを求めた試合だったからだ。それもまた、羽生結弦という選手の、4年間の成長を表すものだろう。

 勝つべくして勝った。それが平昌での羽生の戦いから受けた、一番大きな印象だった。

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