モヤモヤする宇野昌磨。羽生結弦のいない「追われる立場」が影響か

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi  能登直●撮影 photo by Noto Sunao(a presto)

全日本フィギュアSP、ミスはあったが首位に立った宇野昌磨 全日本フィギュアSP、ミスはあったが首位に立った宇野昌磨  12月22日の全日本フィギュアスケート選手権男子SP(ショートプログラム)。演技を終えた宇野昌磨は苦笑いを浮かべた。

 羽生結弦がインフルエンザのために欠場した昨年にも増して"絶対的な優勝候補"と目される立場。前のグループでは田中刑事が4回転サルコウを含む3種類のジャンプを決め、自身初の90点台となる91.34点を獲得していたなかでの演技は、最初の4回転フリップは確実に決めて、続くスピンとステップもレベル4と安定した滑りを見せた。

 しかし、後半に入ってからの4回転トーループでは着氷を乱し、とっさに1回転トーループをつけたが連続ジャンプとは認定されなかった。その後はしっかりまとめたが得点は96.83点。昨季後半からコンスタントに出していた100点台には届かず、絶不調だった11月のフランス杯を2.91点回るだけの結果だった。

「6分間練習通りの4回転トーループになってしまいましたね。(練習の状態がいまひとつで)気合いを入れていこうという気持ちになっていたので......。気合い十分のジャンプですごく上にあがったなと思うけど、それを止めることができず、コンビネーションにつながらなかったのは残念です」

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