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歴代最高にも伸びしろ。羽生結弦の
今季SP得点はどこまで伸びるのか (2ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi 能登直●撮影 photo by Noto Sunao(a presto)

「今回のショートを見て、チームの人たちがどう思ったかわからないですけど、お客さんの中には、限りなく『(今回封印した4回転ループではなく)サルコウでいいんじゃないか』と思った方もいたかもしれないわけです。サルコウでこの点数を安定して出せるようになったら、フリーにもっと力を入れられるんじゃないかと。そういう気持ちが僕の心の中で芽生えてしまったところがあったので、そこが悔しいんです」

 そんなことを考えたのは、自分の思いを曲に乗せる完璧な演技ができたからだろう。だが、冒頭を4回転ループにして完璧に決めれば、さらに1.5点がプラスされ、ジャンプの基礎点合計は37.41点になる。それは、4回転ループと4回転サルコウ+3回転トーループを前半に入れた昨季より1.26点高く、110.95点の歴代最高得点(当時)を出した15年GPファイナルの基礎点34.45点も上回る。

 これは、ルッツとフリップの4回転を入れて現時点での世界最高難度の構成であるネイサン・チェン(アメリカ)のジャンプ基礎点合計には2.14点劣るものの、もちろん最高レベルの難度である。

 また、今回は48.55点だった演技構成点も、ほぼ満点といえる2015年のGPファイナルで出した49.14点に近づけて、これを上回ることも可能なはずだ。おそらく、羽生はそこにこだわりを持ち続けるのではないだろうか。

 今回のオータムクラシックで自己最高得点を1.77点伸ばした大きな要因は、4回転トーループからの連続ジャンプを後半に持ってきたことで、基礎点が1.1倍になったことと、ステップで獲得したレベルがレベル3からレベル4に上がった点にある。

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