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浅田真央を見守ってきた
佐藤信夫コーチが語る「スパイラルの魅力」 (2ページ目)

  • 辛仁夏●構成 text by Synn Yinha  岸本勉●写真 photo by Kishimoto Tsutomu

 私が古い人間だからよけいそう思うのかもしれませんが、すごいスピードで何もしなくても滑ることができるというのは、とても魅力的なことだと思うんです。

 昔、アイスショーを始めた時に、舞台の振り付けでは日本でもトップレベルの先生が応援に来てくださったことがあるのですが、その先生が僕に「私にとってスパイラルというのはスケートの中では最高に魅力のある技なんです」とおっしゃった。「だって、何もしないでリンクの端から端までシューッと行っちゃうじゃないですか。あれは舞台の上では絶対にできない。だから私にはたまらないんです」と。そういう意味でも、スパイラルは人を惹きつける、とても素敵な滑り方なんだと思います。

 スピードに乗って滑れば、どんなスパイラルでも美しく見えてきます。私たちの時代でいえば、札幌オリンピック銀メダリストルのカレン・マグヌセン(カナダ)や銅メダリストのジャネット・リン(米国)は、スパイラルでリンクを1周するほど見せていました。競技用のプログラムの中ではなかなかそこまでの時間を費やすということはできませんが、エキシビションでは、そのスパイラルひとつで拍手喝さいでした。すばらしいスパイラルを見るのが楽しみだという人たちも多かったと思います。

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