浅田真央を見守ってきた
佐藤信夫コーチが語る「スパイラルの魅力」

  • 辛仁夏●構成 text by Synn Yinha  岸本勉●写真 photo by Kishimoto Tsutomu

連載・佐藤信夫コーチの「教え、教えられ」(7)

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 選手として、そして指導者として長年にわたり日本のフィギュアスケート界を牽引し、国際スケート連盟の殿堂入りも果たしている佐藤信夫氏。コーチ歴50年。75歳になった現在も、毎日リンクに立ち、フィギュアスケートを教え続けている。

 その佐藤コーチが、今回はスパイラルについて語ってくれた。

1942年1月3日生まれ。現役時代は全日本選手権10連覇、60年スコーバレー五輪、64年インスブルック五輪に出場。その後コーチとなり、荒川静香、安藤美姫、村主章枝、小塚崇彦、浅田真央らを指導してきた1942年1月3日生まれ。現役時代は全日本選手権10連覇、60年スコーバレー五輪、64年インスブルック五輪に出場。その後コーチとなり、荒川静香、安藤美姫、村主章枝、小塚崇彦、浅田真央らを指導してきた フィギュアスケートでは、ターンなどのエッジワークを含めたいろいろな動きのすべてをムーブズ・イン・ザ・フィールドといいます。今回テーマとして取り上げるスパイラルはそのうちのひとつで、フリーレッグがヒップラインよりも上にあると定義されます。一番分かりやすいポジションは、アルファベットのT字型になって滑る姿です。

 スパイラルとは「渦巻き」という意味です。スピードをつけて滑っても、同じエッジに乗っていれば、描く円の軌跡は蚊取り線香のように中心に向かって小さく、小さくなっていきます。そういう図形を描くということでスパイラルという名前が付いたのでしょう。

 スケートにはフォワードアウトサイド、フォワードインサイド、バックワードアウトサイド、バックワードインサイドという4つのエッジがあります。スパイラルもこうしたエッジの使い分けをします。途中でターンを入れたり、チェンジエッジを入れたり、いろんなことをしながら、いろんなスパイラルのかたちを作って滑ることになります。

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