ジャンプは美しく跳ぶ。羽生結弦の強さを支える「出来栄え点」の威力 (4ページ目)

  • 折山淑美●文 text by Oriyama Toshimi
  • 能登直●撮影 photo by Noto Sunao

 他にフリーで4回転ジャンプを4本以上入れている選手で見ると、最も羽生に近い得点が期待できるのは宇野昌磨だ。世界選手権フリーで羽生、フェルナンデス以外では過去最高となる214.45点を出した時のGOEは15.29点だったが、3回転ルッツと4回転トーループで合計2.33点減点されているため、すべてがうまくいけば20点台に乗せられる可能性はある。それに対し、同大会で204.94点(歴代4位)を出したボーヤン・ジン(中国)の加点合計は15.24点。四大陸選手権で羽生を押さえて優勝したネイサン・チェン(アメリカ)も、非公式得点ながら212.08点を獲得した全米選手権フリーでの加点合計は14.92点にとどまっていて、羽生との差は大きい。

 難しい構成で高いGOE加点をもらうことはそれだけ難しいということ。「ジャンプは跳ぶだけではなく、美しく跳ぶもの」という意識を持ち、それを実践していることが羽生の最大の強みなのだ。

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