浅田真央なき日本女子フィギュアは新勢力が台頭。五輪代表争いは激戦に

  • 折山淑美●文 text by Oriyama Toshimi
  • 能登直●写真 photo by Noto Sunao

 日本の女子フィギュアスケート界にとって、平昌五輪プレシーズンは大きな変化があった1年となった。エースの宮原知子をケガで欠いた世界選手権で、2006年のトリノ五輪から続いていた五輪出場枠「3」を逃し、4月に入ってからは浅田真央引退を表明。終盤こそ少し寂しいニュースが続いたが、全体を通して見れば収穫が多いシーズンだったと言えよう。

エースとして大きく成長した宮原エースとして大きく成長した宮原 まずは、現エースの宮原知子の成長だ。シーズン序盤はなかなか勝ちきれなかったものの、課題を克服しながら実績を積み上げた。昨年12月のグランプリ(GP)ファイナルのショートプログラム(SP)では、自己最高となる74.64点を記録し、2位のケイトリン・オズモンド(カナダ)と0.90点差の3位につけた。

 フリーでも好調を維持した宮原は、前半で3回転フリップが回転不足となった以外は完璧な滑りを披露した。演技構成点も、すべての項目で8点台後半を叩き出すなど、自己最高の143.69点を獲得。合計点では当時の歴代2位となる227.66点を出したエフゲニア・メドベデワ(ロシア)に敗れたが、キム・ヨナ(韓国)、メドベデワ、アデリナ・ソトニコワ(ロシア)以外の選手が出した最高得点となる218.33点で女王に迫り、充実した戦力を誇るロシア勢と競い合える実力を世界に証明した。

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