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羽生結弦の最強ライバルに。
17歳ネイサン・チェンが驚速で成長中!

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi 能登直●撮影 photo by Noto Sunao

 左足甲に負った故障の治療で出遅れたものの、「4回転時代」の世界選手権フリーで歴代最高得点を出して逆転優勝を果たした羽生結弦。底力を見せたその実力は、他の選手を一歩リードしているといえる。

世界選手権で見事な優勝を果たした羽生結弦。10代の新鋭たちが彼を目標に成長を続けている世界選手権で見事な優勝を果たした羽生結弦。10代の新鋭たちが彼を目標に成長を続けている また、日本男子には羽生のほかに、世界選手権2位の宇野昌磨もいる。宇野は今季4回転フリップを自分のものにしたことに加え、シーズン途中から組み込んだ4回転ループも四大陸選手権、世界選手権でともに成功させる勝負強さを見せ、さらにもう1種類の4回転の習得も意識しているという。

 だが、その日本勢ふたりを上回る4回転ジャンプの威力を持つのが、4種類の4回転をすでに自分のものにしているネイサン・チェン(アメリカ)だろう。20日から開幕する国別対抗戦はもちろん、平昌五輪シーズンに向けて、最大のライバルとして急成長する可能性が高い。彼の4回転ルッツと4回転フリップの正確さは、誰もが認めるところだ。

 15歳で4回転トーループを跳べるようになっていたチェンだったが、15年の世界ジュニアでは成長痛もあってジャンプが安定せず4位。だが15-16年シーズンは4回転サルコウも加えてジャンプの安定度を上げ、ジュニアグランプリ(GP)を連勝してファイナルも制した。さらにそのシーズンの全米選手権では4回転サルコウと4回転トーループを2本ずつ決めて、総合3位と一気にジャンプアップ。しかし、同大会のエキシビションで左股関節を痛めて手術をすることになり、シーズン後半を棒に振ってしまう。

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