浅田真央なき日本女子フィギュアは新勢力が台頭。五輪代表争いは激戦に (3ページ目)

  • 折山淑美●文 text by Oriyama Toshimi
  • 能登直●写真 photo by Noto Sunao

 三原と同じくシニア1年目のシーズンとなった樋口新葉は、表現力アップを目指したことでジャンプがやや不安定になり、世界選手権で11位と少し物足りないシーズンに終わった。しかし、ジュニア時代の実績は三原を上回っており、全日本選手権でも宮原に次ぐ2位を獲得しているだけに、来シーズンは持っている実力を存分に発揮してもらいたい。

 来シーズンにシニアへ上がるジュニア勢も、三原や樋口の座を脅かしそうな活躍を見せた。

 最も輝きを放っていたのは本田真凜だろう。昨季の世界ジュニア優勝者として、結果を求められるプレッシャーと戦いながら素晴らしい演技を見せ続けた。シーズン最後の世界ジュニアでもノーミスの演技をする勝負強さを発揮し、ロシアのアリーナ・ザキトワに敗れたとはいえ、201・61点と高得点を獲得して2位に入った。演技構成点ではSP、フリーともザギトワを上回っていただけに、シニアへ上がってからのさらなる成長に期待がかかる。

 また、筋力をつけて得意なジャンプに磨きをかけた坂本花織も、腰痛で苦しんでいた昨シーズンとは一変した安定感を見せ、ジュニアGPファイナルへ進出。そのGPファイナルで3位、世界ジュニアでもザギトワや本田に負けないノーミスの演技で3位に食い込んだ。「コーチからは表彰台に上がらなかったら、もう1年ジュニアだといわれていたので、絶対に外せないと思った」という決意で獲得した195.54点は、昨シーズンまでならジュニア歴代最高になるハイレベルな得点だった。

 平昌五輪の出場枠は「2」に減少し、選手たちにとって来シーズンは厳しい戦いとなる。しかしその競争の中で、未来を担う若きスケーターたちはさらなる飛躍を見せてくれるだろう。

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