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鈴木明子が見た羽生結弦。「どれだけ伸びるか想像がつかない」 (2ページ目)

  • 元永知宏●取材・文 text by Motonaga Tomohiro  是枝右恭●写真 photo by Koreeda Ukyo

――世界選手権では、ショートプログラムで98.52、フリーで216.41を記録し、合計314.93で羽生選手を抑えて金メダルを獲得しました。

鈴木 ショートで羽生選手にリードを許し、「羽生が勝つだろう」という空気のなかで巻き返して連覇したハビエル選手は本当にすごかった。プログラムは彼にぴったり合っていて、完璧に自分のモノにしていますね。

――シニア1年目、グランプリファイナル3位になった宇野選手は、世界選手権では思うような滑りができませんでした。

鈴木 でも、本人が一番、成長を実感したシーズンだったのではないでしょうか。初出場の世界選手権で、あれだけ存在感のある演技ができたことはもっと評価されていい。彼も羽生選手と同様、自分に厳しい選手です。「あんなに練習したのに、いい演技ができなかった」という悔しさがあるようですが、それは、そう言い切れるだけの練習を積んでいるという証拠。現在の自分のポジションを理解していて、「完璧な演技をしても勝てないのに、ミスしてどうするんだ!」という怒りがあったのだと思います。その怒りは、彼の今後のさらなる成長につながるはずです。

――今回の日本人男子選手の出場枠は「2」でしたが、羽生選手と宇野選手のがんばりによって、次回の出場枠は「3」になりました。

鈴木 3人の日本人選手が出場できることの意味は大きいですね。2018年2月の平昌オリンピックまで2年を切りましたが、そこに選手たちは照準を合わせています。

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