鈴木明子が見た羽生結弦。「どれだけ伸びるか想像がつかない」
鈴木明子が語る2015-2016シーズン総括@男子編
シーズンの最後を締めくくる世界選手権では、「絶対王者」の羽生結弦がハビエル・フェルナンデスの連覇を許し、シニア1年目の宇野昌磨は7位――。高得点が連発した今シーズンの男子フィギュア界を、プロフィギュアスケーターの鈴木明子氏はどう見たのか。
鈴木明子さんに各選手の魅力をわかりやすく解説してもらった――2015年11月のグランプリシリーズNHK杯では、羽生選手が史上初の300点超え。さらに12月のグランプリファイナルでも330.43点をマークしましたが、3月の世界選手権ではライバルのハビエル・フェルナンデス選手(スペイン)に大会2連覇を許してしまいました。
鈴木明子(以下:鈴木) 羽生選手の「自分に求めるものの高さ」に気づかされたシーズンでした。オリンピックに勝っても、世界選手権やグランプリファイナルで金メダルを獲っても、満足することがありません。今後どれだけ伸びるか、私には想像がつかないほど。「まだまだ伸びしろがある」と思い知らされたシーズンでした。
彼がひとつ上の次元に突入したことで、他の選手も高難度の技に挑むことになりました。羽生選手に勝つためには、そうせざるを得なかった。これまで以上にハイレベルな大会が続いたのは、そのためです。「羽生選手にひとり勝ちはさせない」と、他の選手が闘志を燃やしました。その一番手がハビエル選手です。
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