フリーで挽回、さらに一歩先へ。浅田真央が全日本で得た小さな手応え (4ページ目)
とにかく若い人たちの進歩は目を見張るものがありますから、そこでどう戦っていくか。頑張っていきたいと思います。どんな人でも必ずスランプ状態はくる。温かく見守って支えてあげて、それを乗り越えられるときを待つしかないと、現時点ではそう思っています」
全日本後のメダリスト会見で、浅田は来年の大舞台に向けて、こんな抱負を語っていた。
「シーズン初戦が始まってから連戦が続いて、なかなか練習できなかったので、しっかりとまずは休んでから、次の試合に臨みたいです」
復帰を決めた当初は、じっくりと練習を積んで、心と身体を満足いくレベルまで戻し、この全日本選手権をシーズンの初戦にしようという考えもあったはずだ。だがさまざまな思いや事情、そして早い段階である程度の状態まで技術レベルを戻すことができたこともあり、予想よりも早く競技会に出場することになった。そのツケがシーズン半ばに回ってきたとも言えそうだ。
冒頭で「過去」のエースと表現したが、決して浅田真央が「過去の人」になったわけではない。むしろ、新しく生まれ変わった25歳のベテラン選手として、これから新たな目標に向けて未知なる世界を突き進む、“孤高の戦士“のような存在になったのではないだろうか。
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