これぞ絶対王者。300点超えを達成した羽生結弦の新たな決意 (3ページ目)
「一番よかったのは、コントロールできた精神状態でフリーの演技ができたことだと思います。ソチ五輪のフリーの後も同じようなことを言ったと思いますけど、あのとき、演技が終わった瞬間、『これで金メダルがなくなった』と思った時に、自分が金メダルを意識して緊張していたんだと気がついたんです。
その経験が今回のNHK杯ではすごく活きて、会場に来る前から『自分はフリーで200点超えをしたいと思っているな』とか、『300点超えをしたいと思っている』『ノーミスをしたいと思っている』という風に、自分で自分にプレッシャーをかけてしまうようなことを考えているということを、ちゃんと認識できていたんです。『緊張しているんだな、それならこうしよう』というのが、今日はある程度わかっていたので、気持ちをコントロールできたんです」
今シーズン、グランプリシリーズ初戦のスケートカナダのSPで、自分でも信じられないようなミスをして出遅れ、フリーではパトリック・チャン(カナダ)に完敗した悔しさがあった。それから約1カ月間、その悔しさを晴らそうと、入念な体のケアをしながら、自分でも驚くほど一生懸命練習をしてきたという手応えもあった。また、SPのプログラム構成を変更したことに表れていた「もっと進化しようという積極的な姿勢」など、さまざまな要素が今回の試合にマッチし、素晴らしい結果を生み出したといえる。
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