漫画家・槇村さとる「髙橋大輔の『白鳥の湖』が忘れられない」 (4ページ目)
数あるプログラムの中でも(2007-08シーズンのニコライ・)モロゾフと作ったヒップホップ調の『白鳥の湖』は最高。あの超絶鬼ステップは、もう忘れられません。
一方で、(2011-12シーズンの)『ブルース・フォー・クルック』ではブルースで踊って、止まりそうなスケーティングをやることもできた。(エフゲニー・)プルシェンコもそうですけど、曲の中で止まることもできて、メリハリよく動ける人は上手ですよね。
羽生選手の『ロミオ+ジュリエット』(2011-12シーズン)を見た時はびっくりしましたよ。何だろう、キャラがぴったり合っていましたよね。今みたいに、体力温存したり、調整できる羽生くんじゃなかったじゃないですか。毎回、何でも120%という感じで、終盤は足もベタベタ。だけど、彼の気持ちのほうに、女の人は母性本能がバーッと引っ張られちゃって、ハラハラしながら見ていて。最後倒れると『ギャーッ』となってしまう......。何なんだっていうことですよ(笑)。
あんなに気合いが、外に上手に出てくる人というのもめずらしいと思っていて。普通はもっと空回りしちゃうというか。ひとりでナルシスティックになってしまうものなんです。そこが、男子フィギュアスケーターの難しいところでしょう? それが、彼の場合は妙にはまっている時期がありましたね。
現在もスケーターの成長を描いた作品『モーメント』を連載中の槇村さん。フィギュアスケートに対する思い入れは人一倍。話はまだまだ尽きなかった。
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