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樋口新葉、宇野昌磨...新世代スケーターが台頭する理由 (3ページ目)

  • 辛仁夏●文 text by Synn Yinha  能登直●撮影 photo by Noto Sunao

「女子の試合はものすごくハードルが高くなってきましたね。ジュニアグランプリや世界ジュニアでも上位を占めたのはやはりロシア勢でしたが、世界ジュニアでは樋口新葉も頑張って表彰台に上がるなど、日本勢が3位、4位、6位でした。ロシアに次いで層の厚い日本のジュニア選手たちが刺激し合って、それが功を奏していると言っていいと思います」

 そんな素質ある若手選手たちが、平昌五輪でメダル争いをする実力をつけるためには何が必要なのか。杉田氏は完成度の高いプログラム作りと、“氷の確保”を課題として挙げた。

「レベルの高いエレメンツをいかに生かすかは、プログラムにかかっていると思います。技術は練習すれば自分のものにできますが、芸術面はそう簡単ではない。プログラム勝負になると、日本の場合、やはりアメリカやカナダ、ロシアに比べると、まだまだそういう指導体制が十分ではない。かなり優秀な人は出てきていますが、それでも振り付けや構成を考えるという作業は、世界的に定評のある人たちに伍してやっていくまでには至っていない。それが日本の悩みの一つじゃないですか。

 さらにもっと大きな問題が氷の確保でしょう。外国の人たちに言わせると、『なんで日本はこんなに恵まれていないのに選手が頑張れるんだ』と疑問に思うぐらい、リンクという環境に恵まれていないですよね。十分な練習ができるような体制を作ることが、これからの大きな課題じゃないかと思います」

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