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新シーズンへ。羽生結弦が語ったソチ五輪後の「葛藤」 (3ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi 能登直●撮影 photo by Noto Sunao(a presto)

 また、SPの最初はゆったりしたテンポのため「いかに動きにメリハリをつけるかが課題で、指先の一本一本まで意識して丁寧に動かしていかなくてはいけない」と分析。「後半に入れた4回転トーループを確実に跳ぶためには、自分の体の状況を把握するなど、ひとつひとつ神経を研ぎ澄まさなくてはいけない」と、修正すべきポイントを冷静に見きわめていた。

 練習では、難易度の高い4回転ループや4回転ルッツにも取り組んでいるという。

「ループは練習では成功しているけど、プログラムに入れるかどうかといえば、たぶん入れないでしょう。ただ、今までの自分の道のりを振り返れば、限界と思うものまでプログラムに詰め込んでやってきた。今、プログラムに入れる最も高度なジャンプは4回転サルコウになると思います。その確率を上げるために、自分の実力や限界点を高めていくことが必要です。だからこそ練習でループやルッツにもチャレンジしているんです」

 タイトルを独占しても、おごりは一切なし。挑戦者としての姿勢を持ち続けている羽生は、7月12日からの『ファンタジー・オン・アイス新潟』でも今シーズンのSPを披露した。アイスショーもプログラムを完成させるための貴重な一歩。ここから、シーズンインへ向けての本格的な準備が始まる。

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