フィギュア全日本、注目はソチ五輪代表最後の「1枠」争い

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • 能登直●撮影 photo by Noto Sunao(a presto)

 12月21日からの全日本選手権で最終章を迎えるフィギュアスケートのソチ五輪代表争い。男女それぞれで3枠あるシングルの選考方法は、全日本選手権出場が最低条件で、ひとり目は全日本の優勝者。二人目は全日本2位および、3位の選手と、GPファイナル日本人表彰台最上位の選手から選出する。そして三人目は前記で漏れた選手のうち、全日本選手権終了時の世界ランキングと、ISU公認大会でのシーズンベスト記録上位3位までの選手から選考する。

ファイナルで連覇を達成し、五輪代表の座をほぼ確定させた浅田真央ファイナルで連覇を達成し、五輪代表の座をほぼ確定させた浅田真央 日本は国別最大の3枠があるとはいえ、選手層が厚いため、毎回代表の椅子争奪戦は激しくなる。今季も、それはGPシリーズ開幕戦から始まっていた。

 その中で大きく抜け出しているのが、羽生結弦(ゆづる)と浅田真央だ。二人はともにGPファイナルで優勝と選考条件のひとつをクリアしており、シーズンベストも羽生はファイナルの293・25点。浅田はNHK杯の207・59点で他の選手たちを大きく引き離している。また、ファイナル終了時の世界ランキングも羽生は1位、浅田は2位で日本人最上位に立っており、ほぼ内定と言っていい状態だ。

 その二人に続く2番手となれば、男子はファイナル3位の織田信成がいるが、彼は髙橋大輔がケガで欠場したために繰り上がりでの出場だった。その髙橋はNHK杯で優勝しているうえに、シーズンベストも268・31点で羽生に次ぐ2番手。世界ランキングも現時点では3位と一歩リードしている。

 また女子は、他の選手がGPシリーズで表彰台に上がれなかったのに対し、鈴木明子がスケートカナダ2位、NHK杯3位と安定した成績を残している。さらにシーズンベストは浅田に次ぐ193・75点で、世界ランキングも日本人2番手の4位。髙橋と同じように代表有力候補と言っていい。

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