GPファイナル圧勝。浅田真央が今後、迫られる「究極の選択」

  • 辛仁夏●文 text by Synn Yinha
  • 中村博之●写真 photo by Nakamura Hiroyuki

 バンクーバー五輪以来の"ダブル大技"に挑戦した浅田真央がGPファイナル2連覇を飾った。大会4度目の優勝は、イリーナ・スルツカヤ(ロシア)が持っていた女子最多優勝に並んだ。

GPファイナルで2位に大差をつけて優勝した浅田真央GPファイナルで2位に大差をつけて優勝した浅田真央「最初のトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)で転倒して体力が持つか心配でしたが、お客さんの応援が後押ししてくれてどうにか最後まで滑りきれました。この大会でアクセルを2度挑戦できたことは次につながると思うし、新しい課題も見つかったので、次の試合までにしっかり調整し、オリンピックにつなげたいと思います。今日は悔しい思いもありますが、次にまた挑戦して跳べるように頑張ります」

 2位と12点近い差をつけての優勝にも、目指す「最高レベルの演技」を見せることができなかった浅田は、すでに先を見据えていた。

 1ヵ月前のNHK杯後にふと「トリプルアクセルを2度入れてもいいかな」と思い、練習を始めてからまだ日が浅い。本人も「時間がまだ足りない」と練習不足を口にする。佐藤信夫コーチが「技術的に(習得は)できている」と言うだけに、あとは練習あるのみという段階のようだ。

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