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【女子プロレス】暁千華は「令和のクラッシュ・ギャルズって呼ばれたいわけじゃない」 19歳が抱く覚悟と大いなる目標 (4ページ目)

  • 尾崎ムギ子●取材・文 text by Ozaki Mugiko

 10月19日、石川凱旋興行。暁は彩羽の持つAAAW王座に挑戦した。デビュー1年での凱旋、しかもタイトルマッチ。異例の抜擢である。

 暁のガッツと勢いを考えれば、勝機はあると思われた。しかし始まってみれば、彩羽の圧倒的な強さとうまさが際立つ試合だった。「ここまでやるのか......」と思うほど、暁は残酷なまでに潰された。それは彩羽の愛ゆえに、徹底した"洗礼"でもあった。

「匠さんとのシングルは初めてだったんですけど、強さを思いっきり見せつけられたし、壁はめちゃくちゃ厚かったです。あれだけ自分を応援してくださる方が会場に来てくださったのに、匠さんひとりの空気感に飲まれた感じはあります」

 試合後、約1350人の観客を前に、暁は泣きながらマイクを取った。

「石川県、震災とかいろいろあったけど、プロレスで私が盛り上げたいなと思っています。プロレスまた観に来てほしいです」

 シンプルだが、まっすぐで、胸を打つ言葉だった。暁千華は、言葉を持つレスラーである。

【プロレスラーになって「自分と向き合うようになりました」】

 11月16日、センダイガールズプロレスリング後楽園ホール大会。キャリア3年未満の選手が争う「じゃじゃ馬トーナメント」決勝戦。それまでに叶ミク、YUNAを下した暁は、スパイク・ニシムラと対戦した。

 暁の得意技となった全女式押さえ込みは、徹底的に警戒されていた。体の大きいスパイクをなかなか押さえ込めなかったが、アックスボンバー2連発からのダイビング・ボディ・プレスで勝利をもぎ取った。

 試合後のマイクでは、涙を流しながらこう言った。「いつも自信を持ったフリをしていた。やっと自信が持てた」――。

 しかし暁を襲ったのは、喜びだけではない。むしろ胸を締めつけたのは、とてつもない悔しさだった。

「超満員で、バルコニーまでたくさん人がいて。メインで橋本(千紘)さんがSareeeさんに勝って締めのマイクをしている時とかも、その光景全部が見ていて悔しかったです。マーベラスも絶対、満員にしたい」

 12月28日、マーベラスは後楽園ホール大会を控えている。暁はマリーゴールドの山岡聖怜と初のシングルマッチに臨む。

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