【女子プロレス】スターライト・キッドが振り返る強制ヒールターンと、スターダムでの野望「この体格でもできる、を証明していきたい」 (2ページ目)
【ハイスピード王者でも「速い」だけじゃない】
――8.29東京・汐留大会、なつぽい選手からハイスピード王座(素早い動きを得意とする選手向けのベルト)を奪取しました。
キッド:ハイスピードは8度目の挑戦で、やっと獲得したベルトです。「この戦いで大江戸隊に加入した意味を出さないといけない!」と。だから新しいガウンで入場し、初披露のラ・ケブラーダも相当な覚悟で飛びました。
――大江戸隊に加入してから技が増えた印象があります。
キッド:今まで使ってこなかった、相手を持ち上げて落とす技も増えました。ヒールとしてラフファイトも加わり、技のバリエーションが広がりましたね。
――STARS時代は飛び技を多用するハイフライヤーのイメージでした。
キッド:そのイメージを崩したかったのもあります。「キッド=キッズ&スピードファイト&空中殺法」というイメージから抜け出すのが難しかったんですよ。それが低迷していた理由のひとつでした。でも、(2021年2月13日の)ジュリアとの試合で「自分は速さだけではなく、力強さも求められているんだ」ということに気づいて、戦い方も変えていきました。
――ハイスピード王者だと、自然と展開の速い戦いになるものですか?
キッド:タイトルに合った試合運び、見せ方をしないといけないのはもちろんです。でも、私がハイスピード王座を保持していた時は、速さのなかにある"戦い"を重視していたので、試合時間は少し長かったと思います。
――現在のハイスピード王座の試合は15分1本勝負。当時は30分1本勝負でしたね。
キッド:見ている時は展開が速くて「すごい」と思っても、振り返った時に「試合後の印象に残りにくいな」と感じたんです。だから、自分が王者の時は工夫して戦い方を変えていました。
――だから新たな技も開発していたんですね。日頃からプロレスの試合を観るのですか?
キッド:プロレスの試合だけじゃなく、さまざまなものを取り入れて「これだったら、自分なりにこうできそう」と考えます。それに私は、他の所属選手と技がかぶるのが本当に嫌。だから同じ技だとしても「自分が一番きれいにやってやろう」「入り方を変えてオリジナリティを出そう」とか、けっこう考えています。使う技が固定されてきたのは、ここ1、2年ですね。
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