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【ボクシング】井上尚弥vs.中谷潤人を米識者10人が予想 モンスターの勝利予想も多いが「中谷が井上をストップする」という意見も (3ページ目)

  • 林壮一●取材・文・撮影 text & photo by Soichi Hayashi Sr.

 ラヒームは額に手をやり、ひと呼吸置いてこう語った。

「僅差の判定で井上が防衛して大きな論議が起こり、それでリターンマッチ、という流れになるんじゃないか。俺は、そう考えるね。井上とアフマダリエフのファイトは明日の早朝4時からだっけ? カネロvs.クロフォード戦の取材を終えてクタクタになっているから、起きられないだろう。井上vs.中谷戦については、またじっくり話そうぜ」

 4人目は『RING』誌のビデオニュースを担当する22歳の英国人、ルイス・ハート。祖国の大学を卒業したばかりで、瑞々しい若者だ。

ルイス・ハートルイス・ハートこの記事に関連する写真を見る

 「井上選手のことは、グラスゴーでやった試合から知っています。2019年の5月、WBAチャンピオンだった井上選手と、IBF王者だった19戦全勝12KOのエマヌエル・ロドリゲスがバンタム級統一戦で当りましたよね。井上選手も、17連勝中で15のノックアウトがありました。

全勝同士の一戦でしたが、格の違いを見せた井上選手が2ラウンドで呆気なく試合を終わらせてしまった。強烈なインパクトでした。本当にびっくりしましたよ。

 中谷選手は、KO of the Yearに輝いた2023年5月のアンドリュー・モロニー戦が印象に残っています。パウンド・フォー・パウンドを争う実力者のぶつかり合いですから、激闘になるでしょう。歴史に残る好勝負となるに違いありません」

 ハートは、「見通しを立てるのは難しいなぁ。どんな展開になるんだろう」とつぶきながら、「うーん、若干、井上選手が有利かな。でも、やっぱり50-50ですね」と答えた。

 ボクシングの現場に出て25年、『AMFM』誌で記事を執筆し、TV番組のホストも務めるポール・サルフェン(50歳)はテキサス州在住。今年5月に井上がラスベガスでラモン・カルデナスに8回KO勝ちした一戦を「克明に覚えている」と言った。

ポール・サルフェンポール・サルフェンこの記事に関連する写真を見る

「ここ数年、井上尚弥が日本のボクシング界を支えてきたのは、よく知っている。ライトフライ級からどんどん階級を上げ、すごみを増してきた。だが、カルデナス戦の2ラウンドにダウンを喫したシーンには目を疑った。

 彼は左フックでダメージを受けることが多い。気が強く、打ち合いを好む選手だから、接近戦となればリスクが生じるのは当然だ。それにしても、あのパンチのもらい方はいただけない。昨年5月のルイス・ネリ戦の教訓が生かされていないように私は感じた」

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