【ボクシング】井上尚弥と中谷潤人の対決は「"WAR"になる」と米識者 「井上はバンタム級時代のほうが特筆だった」との声も (4ページ目)
アブラムスは冷静に話した。
「ここ数試合で井上はダウンを喫しているね。疲れが溜まっているんじゃないか。5歳若い中谷にとって、大きなチャンスだと思う。私は、中谷がノックアウト勝ちすると予想する」
カネロvs.クロフォード戦は116-112、115-113、115-113で挑戦者のクロフォードが勝利した。WBOライト級チャンピオンとして出発したクロフォードにとって、5階級制覇、そして主要4団体タイトルの統一王座に就くのも3階級にわたってである。
42戦全勝31KOとなったクロフォードを、パウンド・フォー・パウンドのKINGとするメディアが増えることは間違いない。井上vs.中谷戦の勝者も、クロフォードと1位を争うことになりそうだ。
7万人を超える観客を集めたカネロvs.クロフォードこの記事に関連する写真を見る
ラスベガスで催されたボクシング興行で、最大のチケット売上となったのは、2015年5月にMGMグランドガーデンで行なわれたフロイド・メイウェザー・ジュニアvs.マニー・パッキャオ戦の7220万ドル(約106億円)である。今回のカネロvs.クロフォード戦は、4720万ドル(約69億)の3位。とはいえ、集客数(7万482名)ではネバダ州スポーツイベントの新記録となった。
試合後、勝者と敗者は記者会見場で清々しい表情で抱擁を交わした。落日を味わったカネロだが、言い訳はせず、ただクロフォードを称えた。
井上尚弥vs.中谷潤人戦も、こんな頂上対決となりそうだ。日本における数々の記録を塗り替えるに違いない。
著者プロフィール
林壮一 (はやし・そういち)
1969年生まれ。ノンフィクション作家/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するもケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。ネバダ州立大学リノ校、東京大学大学院情報学環教育部にてジャーナリズムを学ぶ。アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(以上、光文社電子書籍)、『神様のリング』『進め! サムライブルー 世の中への扉』『ほめて伸ばすコーチング』(以上、講談社)などがある。
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