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【ボクシング】井上尚弥と中谷潤人の対決は「"WAR"になる」と米識者 「井上はバンタム級時代のほうが特筆だった」との声も (3ページ目)

  • 林壮一●取材・文・撮影 text & photo by Soichi Hayashi Sr.

 中谷は身長、リーチで井上を上回っている。離れて戦えば有利だろう。でも、接近戦となればモンスターに分がある。距離の取り合いになるだろうが、そこを制して井上が勝つさ。最後はモンスターの右フックで決まるだろう」
 
 スポーツ総合チャンネル、『ESPN』のラティーノアメリカ・チャンネルで鋭いコメントを述べているサルバドール・ロドリゲス(41歳)も、ボクシングジャーナリズムの現場で20年のキャリアを積んでいる。

サルバドール・ロドリゲスサルバドール・ロドリゲスこの記事に関連する写真を見る

「井上は、誰にとっても危険なファイターだ。攻撃の爆発力、ハードパンチ、スピード、メンタル、何もかもがトップだ。修羅場をくぐり抜けてきた経験も武器になっている。自信満々で試合を終わらせているよね。まるでハリケーンだ。

 ただ、バンタム級時代のほうが特筆だったように感じる。当時のほうが、モンスターぶりは上だったんじゃないか。彼にとって122パウンド(55.34 kg。スーパーバンタム級のリミット)は、リスクを自覚しながらのチャレンジであるようだ。

 加えて、中谷も偉大な選手だ。井上に勝つ可能性を秘めたテクニックとパワーを持っている唯一の存在が中谷だろう。彼は手が長く、背も高い。自分の距離で戦えば、十分に勝機はある。2人の激突は、"WAR"と表現できるものになるさ」

 気になる彼の見立てを訊ねると、何度か頭をもたげながら、「難しいな......50-50。来年の5月までに中谷が伸びて55-45になっている気もするがね」と応じた。

 ボクシングの現場に出て24年のマーク・アブラムス(52歳)は、プレスルームを忙しく動き回っていたが、自分の作業がひと段落した折、こちらの問いに答えてくれた。

マーク・アブラムスマーク・アブラムスこの記事に関連する写真を見る

「確かに井上は、今日のボクシング界でパウンド・フォー・パウンドと呼べる。どんな相手をも打ち負かしてきた。いつだって自信満々だよね。日本でかなりの人気者であり、ビッグスターの座に就いている。

 一方の中谷も、一級品のカウンターパンチャーだ。両者がお互いを尊敬し合っている点が素晴らしい。2人とも攻撃的な選手なので、試合開始のゴングからまったく目が離せないファイトになるだろう」

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