中谷潤人vs.西田凌佑を井上尚弥のいとこが展望 自らはウェルター級でのKO復活に「中量級も日本人は強いと証明したい」 (3ページ目)
――最後は、相手が四つん這いの状態で立てませんでした。
「技術の高さ、距離の取り方のうまさは本当にすごかった。でも、パンチ力や体の強さはそこまで感じなかったので、『どこかで削っていける』とは思っていました。結果的にKOできてよかったです」
――KOした3ラウンド、作戦を変えたとか、ギアチェンジしたということがあったのでしょうか?
「2ラウンドの後半くらいから、『自分もペースを上げないと、どんどん相手のペースになっちゃうな』と思ったんです。だから少し体の動きを増やして、足の動きも速くしたら、少しずつパンチが当たり出したので『このペースでいこう』と。そのまま3ラウンドに入った感じですね」
――スーパーライト級まではグローブが8オンスで、今回から10オンスに変わりました。使用感に違いはありましたか?
「手が入りやすくなったというのが一番大きいです(笑)」
――そこですか(笑)。
「はい(笑)。自分は体も手も大きいので、バンテージを巻くと、8オンスではかなりきつくなってパンパンになっていたんです。それに比べて10オンスはすんなり入って、『これはいいな』と」
――試合でのパフォーマンスには影響がありましたか?
「試合に大きく影響することはないですけど、若干ブロックはしやすいかな、という感覚はありましたね。ただ、それは相手も同じ条件なので、有利・不利は感じないです」
――今、日本のボクシングは軽量級が盛り上がる一方で、世界戦を控える佐々木尽選手(八王子中屋ジム)や同じジムの平岡アンディ選手を筆頭に、中量級も注目され始めています。そうした流れのなかで、浩樹選手への期待も高まっていると思いますが、どのように受け止めていますか?
「『俺だって』と思うことは大事だと思っていますし、ほかの選手たちもそういう意識でやっているはずです。みんなで切磋琢磨して、『中量級も日本人は強いんだぞ』ってことを証明していけたらいいですね」
――浩樹選手の今後の展望について、何か決まっていることはありますか?
「まだ具体的には何も決まっていません。でも、ウェルター級を主戦場として、しっかり上を目指していきたいです!」
【プロフィール】
■井上浩樹(いのうえ・こうき)
1992年5月11日生まれ、神奈川県座間市出身。身長178cm。いとこの井上尚弥・拓真と共に、2人の父である真吾さんの指導で小3からボクシングを始める。アマチュア戦績は130戦112勝(60KO)18敗で通算5冠。2015年12月に大橋ジムでプロデビュー。2019年4月に日本スーパーライト級王座、同年12月にWBOアジアパシフィック同級王座を獲得。2020年7月に日本同級タイトル戦で7回TKO負けを喫し、引退を表明したが、2023年2月、約2年7カ月ぶりに復帰。同年8月、WBOアジアパシフィック・スーパーライト級王座決定戦に勝利し、王座に返り咲いた。2024年2月、東京・後楽園ホールで、東洋太平洋同級王者・永田大士との王座統一戦に敗れた。2025年3月、ミハイル・レスニコフに3RKO勝利を収めた。
20 戦 18 勝 ( 15 KO ) 2 敗。左ボクサーファイター。アニメやゲームが好きで、自他ともに認める「オタクボクサー」。
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著者プロフィール
篠﨑貴浩 (しのざき・たかひろ)
フリーライター。栃木県出身。大学卒業後、放送作家としてテレビ・ラジオの制作に携わる。『山本"KID"徳郁 HEART HIT RADIO』(ニッポン放送)『FIGHTING RADIO RIZIN!!』(NACK5)ウェブでは格闘技を中心に執筆中。レフェリーライセンス取得。ボクシング世界王者のYouTube制作も。
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