井上尚弥のいとこ・浩樹が明かすカルデナス戦のダウン 陣営は「無理して打たないでくれ!」と叫ぶも、崩さなかった攻めの姿勢 (2ページ目)
【まさかのダウンに驚くも、「大丈夫だな」と思った理由】
――カルデナス選手にとっては千載一遇のチャンスだったと思いますが、開き直りのような心境だったのでしょうか。
「そうですね。彼は『失うものが何もない』という気持ちだったと思います。だからこその余裕が見えた感じがしました」
――やはり4団体の王者で、PFP(パウンド・フォー・パウンド)の上位に名を連ねる尚弥選手との一戦となると、相手にとっては特別な意味を持つ試合になりますからね。
「これまでの相手は、ディフェンシブになる選手が多かったと思います。『倒されずに判定までいければ御の字』みたいな。ただ、カルデナスは勇敢でクレバーでした。作戦どおりに戦った印象です」
――カルデナス選手の作戦とは?
「尚弥さんの打ち終わりに合わせる、という作戦だったと思うんですけど、こちらがヒヤッとするような場面が多かった印象です。それから、カルデナスのジャブがよかった。序盤だけではありましたが、スピードがあって当たっていましたし、しっかり準備してきたことが伝わってきました」
――2ラウンドのダウンシーン、尚弥選手の左フックをカルデナス選手がダッキングで外にかわして、沈んだところから左フックをヒットさせました。あの瞬間の心境は?
「僕らは、ちょうど尚弥さんの背中側から見ていたので、かなり驚きました。カルデナスのパンチが、尚弥さんの身体で見えなかったんです。だから、何が起きたのか一瞬わからなくて、気づいたら尚弥さんが倒れていたので、『やばい!』と思いました。
でも、膝立ちしている様子を見て『大丈夫だな』と。もし完全に効いていたら、あの場面で膝立ちすることはできなかったはず。試合が再開したあと、すぐにラウンドが終わったのもよかったですね」
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