井上尚弥の防衛戦を観戦したメイウェザーの叔父は「これまでにない姿」 超大物プロモーターには中谷潤人戦について直撃 (5ページ目)
T-モバイル・アリーナを後に、レンタカーを停めたMGMグランドに移動する。土産物屋の前を通過した際、前日に短い会話をした女性店員が「怪物Tシャツ、完売しました!!」と笑顔で告げてきた。ハグラーvs.ハーンズの復刻版は、まだ余りがあった。
大人気だった怪物Tシャツphoto by Soichi Hayashi Sr.この記事に関連する写真を見る
観光客が行き交うホテルのロビーで、筆者の進行方向の逆から、お揃いのジャージを着たチーム・カルデナスの一行が歩いて来る。顔面のあちこちを赤く腫らした29歳の挑戦者は、サングラスで傷を隠していた。
「いい試合でしたね」と、こちらが右手を差し出すと、WBA1位は筆者の手を強く握り返し、「ありがとう」と言った。
MGM駐車場の4階に停めたレンタカーのドアを開けるまでに、「怪物」Tシャツを身に纏った米国人ファン3名と擦れ違った。彼らは思い思いに井上の勝利について論じていた。
モンスター時代は、いつまで続くだろうか。
著者プロフィール
林壮一 (はやし・そういち)
1969年生まれ。ノンフィクション作家/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するもケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。ネバダ州立大学リノ校、東京大学大学院情報学環教育部にてジャーナリズムを学ぶ。アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(以上、光文社電子書籍)、『神様のリング』『進め! サムライブルー 世の中への扉』『ほめて伸ばすコーチング』(以上、講談社)などがある。
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