【独占】93歳の超大物プロモーター・アラム氏が語る「モンスター」井上尚弥の魅力と2度目のラスベガスマッチ、そして中谷潤人戦 (2ページ目)
【井上にとって難しい相手になる可能性があるのは中谷くらい】
私は1960年代からボクシングビジネスに関わり、60年近いキャリアのなかで多くの偉大なボクサーを目にしてきた。そんななかでも、井上に似た選手はなかなか思い出せない。あえて名前を挙げるなら、アレクシス・アルゲリョ(82勝:65KO・8敗)だ。ニカラグア初の世界王者であり、1970〜1980年代に フェザー級からライト級の3階級を制覇した名チャンピオン。アルゲリョもまた、技術とどんな相手もKOできるパワーを兼備した偉大なボクサーだった。ただ、特に近年に関わったボクサーから選ぶのは難しい。先ほども話したとおり、現在の周辺階級に井上に太刀打ちできる選手はほとんどいないと思う。
そんな井上にとって難しい相手になる可能性があるボクサーがいるとすれば、それはWBC世界バンタム級王者の中谷潤人(MT)くらいだろう。すでにフライ〜バンタム級の3階級を制覇した中谷もまた、すごい選手だ。
すべてのことが順調に進むなら、井上と中谷の対戦は来年挙行する方向で話はしている。この日本人対決の会場は、もちろん日本でなければならない。井上対中谷戦は東京ドームで開催するにふさわしいビッグイベントであり、実現するとなればもちろん私も日本に飛ぶつもりだよ。
著者プロフィール
杉浦大介 (すぎうら・だいすけ)
すぎうら・だいすけ 東京都生まれ。高校球児からアマチュアボクサーを経て大学卒業と同時に渡米。ニューヨークでフリーライターになる。現在はNBA、MLB、NFL、ボクシングなどを中心に精力的に取材活動を行なう
井上尚弥 Training Days 2023 フォトギャラリー
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