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中島翔子が迎える東京女子プロレス「最強タッグ」へのリベンジマッチ ハイパーミサヲと一緒に「トゲを抜くチャンスが来た」 (2ページ目)

  • 大楽聡詞●取材・文 text by Dairaku Satoshi

――勝ったのに、後悔したんですか?

中島:その少し前から、ユカッチがAEWの旗揚げ戦に参戦したりして海外から注目され始めて、私も"とにかく結果を出さなければ"と焦っていたんです。今振り返ると、自分の器に合ってないことをしていたと思います。

 2018年頃から、道場に週3、4回通いながら、赤井(沙希)さんに誘っていただいて坂口道場に足を運んだり、スタントマンの練習にも参加しました。壁を使って宙返りしたり、逆立ちして練習場を1周したり、リングのないところで受け身を取れるようにしたり......とにかく毎日、どこかで練習していました。

 焦りすぎて失敗してしまう人はたくさんいると思うんですけど、この時の山下との試合は、まさにそれでした。結果的にギリギリ勝てたけど、内容はとても納得できるものではなかった。しかも試合後、山下が「私は負けたけど、負けた悔しさより、中島がベルトを巻いてうれしい」と言ったのを聞いて......。「わざと負けてあげた」とも捉えられるので、"ナメんじゃねえ!"と、さらにムカつきました(笑)。

――2022年3月、初の両国大会でも山下選手に勝利し、プリプリ王座2度目の戴冠。この時はいかがでしたか?

中島:この時はこの時で、悔いが残っています。東女初の両国国技館のメインイベントでしたが、ふと、"プロレスラーのなかで、両国国技館のような大きな舞台のメインで試合をせずに引退する人ってどのくらいいるんだろう"と考えてしまって。

 この先、20年くらいレスラーを続けたとしても、もう一度両国のリングに立てるかはわからないし、立てない可能性のほうが高い。そんな重圧がのしかかり、全体練習後にひとりで道場に残って飛び技の練習をしたりもしましたし、考え過ぎて変な痩せ方もしちゃいました。

――そういったことを真正面に受け止めるタイプなんですね。

中島:真面目なんだと思います。もっと気楽に臨めたら、いつもどおりの自分のスタイルで動けたはずなんです。でも、思い詰め過ぎて、入場時に感極まって泣いてしまって......試合に勝ったのにカッコ悪いですよね(笑)。

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