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棚橋弘至は東京ドームの2Daysに自信 オカダ・カズチカが抜けても、新世代がファンと「エネルギーを交換し合う」 (3ページ目)

  • 篠﨑貴浩●取材・文 text by Shinozaki Takahiro

――『日米レスリングサミット』(1990年4月3日・東京ドーム)の令和版という声もあります。往年のファンに響くかもしれませんね。

「正直、一度プロレスを離れたファンが、どれだけ戻ってきているかはわからなくて。もちろん、戻ってきてくれたら『おかえり』と喜んで迎え入れますが、『プロレスを観なくなったファンに戻ってきてもらうための熱量って、通常の"倍"必要なんだな』と思ったんです。だから、プロレスを知らない人に対していかにアプローチするかに全力を注いできました。

 アナウンサーの古舘伊知郎さんは、かつて『全国3000万人のプロレスファンのみなさん』と実況していましたが、それなら残りの国民は、まだプロレスに触れてないということになる。もちろん観たうえで好き嫌いを判断している人もいるでしょうが、そもそも観たことがない人たちに、まずはプロレスの楽しさを知ってもらいたいですね。プロレスファンではない人たちこそ、新日本にとってビジネスチャンスなので、ここにアプローチして、より多くの人々にプロレスの魅力を届けていきたい。そして、私が社長を務めている間に、新日本を過去最高収益に導きます(笑)」

【オカダが抜けた新日本、次世代を担うのは誰か】

――AEWには、オカダ・カズチカ選手が2024年3月に移籍しました。新日本にとっては大きな選手が抜けたことになります。

「会社の規模、経済力から言えばAEWが上ですからね。オカダやウィル・オスプレイ、ジェイ・ホワイトらが抜けて悲しんでいるファンも多いでしょうし、『新日本、大丈夫か?』と思ってる方もいるでしょう。

 でも、トップ選手が抜けることで、新たにそのポジションを狙う選手が必ず出てきます。闘魂三銃士から第三世代、その後に、僕や中邑真輔が続いて、さらに、オカダや内藤哲也が出てきたように。オカダやオスプレイらが抜けたポジションに誰が上がるのかを楽しんでいただきたいです。次に時代を掴むのは誰なのか......。それは僕かもしれませんけどね。『もう一回?』みたいな(笑)」

――注目している選手はいますか?

「今チャンスを掴んでいるのが海野翔太。(海野とともに"令和闘魂三銃士"と呼ばれる)成田蓮も辻陽太もそれを面白く思っていないだろうし、『次は俺がいく』と思っているはずです。プロレスは、『相手に負けたくない』という勝負論的な部分に、個人的なジェラシーが乗らないと燃えないので。僕の場合は、中邑が先にIWGPヘビー級を獲って、なかなかチャンスが回ってこなかったんです。その悔しい思いが、棚橋-中邑というライバル構想の根底にありました」

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