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寺地拳四朗が振り返る、ボートレーサーになりたくて始めたボクシングで世界王者になるまで (4ページ目)

  • 杉浦大介●取材・文 text by Sugiura Daisuke

――話は少し戻りますが、子供の頃にお父さんの試合を観た経験はあったのでしょうか?

KT:生で観たことはないですね。大学生くらいで初めて映像を観ました。大学の時の監督がたまたまビデオを持っていて、それを見せてもらったんですよ。唯一、負けた試合(後の世界ミドル級王者、竹原慎二との日本タイトル戦で2回KO負け)でしたけど。試合前にめちゃくちゃ睨み合ってて(笑)。あの姿は衝撃的でしたね。

――お父さんとボクシングの話はよくするんですか?

KT:父との関係は良好ですけど、ボクシングに関しては何も言わないです。昔からそうですけど、家でボクシングの話をすることはまったくない。試合後のアドバイスもあまりなかったかな。特に今は、東京(の三迫ジム)でお世話になっているから、変に口出しはしてこないです。スパーリングを見に来たりしますけど、見てすぐに帰る。熱い人じゃなく、あっさりしているんで(笑)。

――寺地選手の拳四朗という名前は『北斗の拳』にちなんでつけられたとのことですが、まだ一度も読んだことがないと聞きました。それは事実でしょうか?

KT:読んでないですね。あまり字を読むのは好きじゃなくて、漫画も読まないです(笑)。ニュースとかは携帯で読みますけど、一時期、読書にハマった時期以外は本は読んでません。飽き性でもあるので、何ごとも続かないんですよ。習いごととかも続かないなかで、唯一続いているのはボクシング。だからボクシングは向いてたんでしょうね(笑)。

(後編:フライ級転向の寺地拳四朗が語る次戦とその先 現役は「長くてあと2年くらい」>>)

【プロフィール】
●寺地拳四朗(てらじ・けんしろう)

1992年生まれ、京都府出身。B.M.Bボクシングジム所属。関西大学卒業後、2014年にプロデビュー。6戦目で日本王座、8戦目で東洋太平洋王座を獲得し、2017年、10戦目でWBC世界ライトフライ級王者になり8度防衛。2021年9月に矢吹正道に敗れ陥落するが、翌年3月の再戦を制し王座返り咲き。2022年11月には京口紘人を破ってWBA王座も獲得。今年7月、フライ級転向に伴い、WBAスーパー・WBC世界ライトフライ級王座を返上。10月13日クリストファー・ロサーレスとWBC世界同級王座決定戦を行なう。24戦23勝(14KO)1敗

著者プロフィール

  • 杉浦大介

    杉浦大介 (すぎうら・だいすけ)

    すぎうら・だいすけ 東京都生まれ。高校球児からアマチュアボクサーを経て大学卒業と同時に渡米。ニューヨークでフリーライターになる。現在はNBA、MLB、NFL、ボクシングなどを中心に精力的に取材活動を行なう

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