ケンコバが「ネズミを食う」「ガソリンを飲む」と信じていたロード・ウォリアーズが見せた「まさか」のギャップ (2ページ目)

  • 松岡健治●取材・文 text by Matsuoka Kenji

【ロード・ウォリアーズの印象的な試合は?】

――ラシアンズは、イワン・コロフ、ニキタ・コロフ、クルスチェフの3人がロシア人を名乗ったユニットでした。1980年代の冷戦時代の「米ソ」対立をそのままリングに持ち込んで人気でしたね。そんなラシアンズのクルスチェフも、アニマルと関わりがあったとは! アニマルは、リング外では名スカウトマンだったんですね。

「実は、ポール・エラリングも悪徳マネージャーではなくて、2人のウエイトトレーニングを見てくれた人だったはずです。いわばパーソナルトレーナー。ということは、アニマルもホークも、パーソナルトレーナーのエラリングが指示した時間どおりにちゃんとジムに行って汗を流し、提出された食事のメニューもきちんと食べていたということ。暴走戦士どころか、めちゃめちゃ律儀できちんとしていた男たちだったんです。だからこそ現役時代も、ジムを経営してビジネスマンとしても活躍できたんだと思います」

――ホークの逸話もあったりしますか?

「ホークは、酒場で暴れたとか過激なイメージがあると思います。だけど、これは聞いた話ですが、顔が柔和すぎるらしいんです。だからポール・エラリングが『おまえみたいな優しい顔だと、普通のモヒカンじゃ足りない』ということで、逆モヒカンになったらしいんですよ。実は、笑顔が素敵な人だったんですね」

――そんなロード・ウォリアーズは、1985年3月に全日本プロレスの試合のために初来日しました。日本マットでも数々のインパクトがある試合をしましたが、ケンコバさんにとって印象的な試合はどの一戦になりますか?

「長州力・谷津嘉章とのタイトルマッチですね」

――1986年6月12日に、日本武道館で行なわれた一戦ですね。インタータッグ王者だった長州・谷津組にウォリアーズが挑戦した試合でした。

「この時のウォリアーズは、どこか不穏なムードを醸し出していて。(ブルーザ・)ブロディがよくやっていた試合というか、リング上で不機嫌な空気を出していたんです」

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