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山中慎介が語る井上尚弥vsネリ「敵討ちではなく『ひとつの試合』と思ってほしい」 フェザー級転向も「問題ない」 (3ページ目)

  • 篠﨑貴浩●取材・文 text by Shinozaki Takahiro

【ネリが体重超過した試合を拒否できなかった理由】

――ネリは、山中さんとの試合でのドーピング違反と体重超過で「悪童」とも呼ばれています。井上選手との試合が、「敵討ち」というテーマで見られることについてはどう思いますか?

「井上は僕とネリとの因縁は意識していなくて、"ひとつの試合"として捉えていると思います。僕自身もそう思っておいてもらいたい。ただ最近、ネリが『山中との試合はイージーだった』と言っていたと聞きました。『ドーピングと体重超過をしたのに、そういう発言をするのは違うだろ』と。井上戦に向けては再発防止策も講じられましたが(※)、試合が行なわれない、なんてことは避けないといけません」

(※)JBCは2月26日、ネリのライセンス申請資格の回復を認めることに併せて、認定団体のWBCと協同して「事前計量(30日前、15日前、7日前)の厳格運用」と「ボランティア反ドーピング機構(VADA)による抜き打ち検査も含めた徹底したドラッグテスト」を実施することを発表した。

――大橋秀行会長は、ネリが再び体重超過をした場合はわずかな量でも試合をさせないことを明言しています。山中さんの件の影響が大きいでしょうが、試合を断ることは難しいですか?

「僕の場合は、ネリとの1回目の対戦となった13度目の防衛で失敗して、体力的にもメンタル的にも限界を感じました。これまで話したことはないですが、再戦は『現役最後の試合にしよう』という強い気持ちで挑んだんです。だから、ネリの体重超過が判明しても、『試合を中止して後日にもう一度......』とは考えられなかった。2.3kgオーバーという結果には、強い怒りを覚えましたね」

――2.3kgオーバーだと、1階級上のスーパーバンタム級のリミットも超えることになります。

「そうですね。彼は公開練習の時、上半身裸で軽快にミット打ちをしていました。その様子を見れば、体重も問題ないと思いますよね」

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