高木三四郎が「ちょっと品がないな」と思っていた女子プロレス 愛川ゆず季との出会いで変化「この人だったら新しいものを作れるんじゃないか」 (5ページ目)
――あれは泣けました......。
「そういうふたりが、DDTの年間最大のビッグマッチで闘う。これから、そういう時代になってくるんじゃないかと思うんです。必ずしも敵対している者同士の闘いで魅せる時代じゃなくなってくるんじゃないかと。もちろんそういうのも大事なんでしょうけど、そういうのにちょっと疲れてきてたり、純粋なものを見たいという人もいるはずなんです。クリスと上野は友だち同士だからこそできる、お互いが限界まで出しきる闘いが見られると思っています」
――平田一喜選手と、新日本プロレスの高橋ヒロム選手の試合も楽しみです。アイアンマンヘビーメタル級王座のベルトを巡って、すごく盛り上がっていますね。
「そのふたりも、どう考えても敵対してないですよね。お互い『大好き』と言い合っていたし。あの空気感ですよね。DDTはそこで勝負するしかないと思っています」
【引退の赤井沙希は「盛大に送り出してあげたい」】
――あと、両国国技館大会では赤井沙希選手の引退試合があります。私はすでに赤井沙希ロスに陥っていて、つらいです......。
「赤井さんは、本当にDDTを愛してくれた人ですよね。だから赤井さんのために本当に最高の大会にしたいんです。お客さんも入って、なおかつ最高のものにしたい。赤井さんを盛大に送り出してあげたいですね」
――赤井選手にインタビューした時に「DDTに"利用"してほしい」とおっしゃっていて、そこまで愛せるのって本当にすごいなと思いました。
「その思いに応えてあげたいというのが一番大きいですね。いくら好きだといっても、タレントとして、モデルとしてやってた人が、10年間もDDTでプロレスをやってきてくれたというのは、僕からするとものすごくありがたい。利用するとかそんなことを超越して、なんでここまでDDTに尽くしてくれるんですかっていう気持ちのほうが強いです。本当に感謝しかないですね」
――赤井選手が引退するのは、DDTにとって大きな痛手だろうなと。
「それは赤井さんだけじゃなくて、僕もそうだし、キャリアでいったらHARASHIMAさんとか坂口(征夫)さんとか男色ディーノとかだって、いつかは退くこともあるわけだし。上野とかMAOとか樋口(和貞)とか遠藤(哲哉)とか、そういう世代だっていつかはね。そうやって"大河ドラマ"として見せていくしかないんじゃないかと思います。
だからこそ『ドラマチック・ドリーム・チーム(DDT)』という名前なんですよ。DDTという大河ドラマをこれからも見せ続けていかなくちゃいけない。そんな中で、赤井沙希の引退はひとつの大きなトピックでもあるので、盛大に送り出してあげたいです」
【プロフィール】
■高木三四郎(たかぎ・さんしろう)
1970年1月13日、大阪府豊中市生まれ。1997年にDDTプロレスリングの旗揚げに参加。2006年1月、DDTの社長に就任。2017年にサイバーエージェントグループに参画。2020年9月、サイバーファイトの代表取締役社長に就任。「大社長」の愛称で現役レスラーとしても活躍している。175cm、105kg。X(旧Twitter)@t346fire
【大会情報】
『Ultimate Party 2023』
■日時:2023年11月12日(日) 開場12:30 開始14:00
■会場:東京・両国国技館
■特設サイト:DDTプロレスリング公式サイト>>
【写真】「新幹線プロレス」車内での試合カットも 高木三四郎フォトギャラリー
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