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高木三四郎が「ちょっと品がないな」と思っていた女子プロレス 愛川ゆず季との出会いで変化「この人だったら新しいものを作れるんじゃないか」 (4ページ目)

  • 尾崎ムギ子●文 text by Ozaki Mugiko

――ユニットがないのも大きいような気がします。ユニット抗争とか、すごく面白いんですけど、観ていてだんだん心が疲弊してくるというか......。

「ユニット同士の争いとか、髪切りマッチとか、喜怒哀楽が出るという点ではひとつの魅力だと思うんですけど、そういうものじゃない闘いもあるわけじゃないですか。お互いが切磋琢磨して、高め合うみたいな。そういうものを東京女子にはすごく感じる。最近いろいろ勉強していて、行き着いた先が乃木坂46なんですよ」

――乃木坂46ですか!

「乃木坂46はメンバー同士で仲がいいんです。インスタグラム、TikTok、YouTubeなどでわちゃわちゃしているところを見てると、『平和だな』と思うんですよね。AKB48は総選挙があったりして、ちょっとギスギスしてたじゃないですか。みんな仲が悪いんだろうな、みたいな(笑)。それはそれで好きですよ。闘争本能でいくと、AKBを見て『これがプロレスだよ!』と言う人たちがいるのもわかる。でも、そうじゃないものも見たいよなあって思うんです。そこを東京女子はうまくついてると思います」

――東京女子のみなさんは、本当に仲がいいですよね。

「コロナ禍だったり、いろんなことに心が疲れている中、見てて楽しいのは乃木坂みたいな雰囲気なんですよね。歌に踊りに頑張ってるなあ、みたいな。東京女子も同じ。ちゃんとしたプロとしての技術を持っている中で、潰し合わないでお互いを高め合っている。そこですね」

――東京女子のイメージをファンの方がよく「多幸感」という言葉で表現していて、本当にその言葉がぴったりだなと思います。

「そうですね。やっぱりね、一定周期で入れ替わるんですよ。格闘技が流行ると、BreakingDownとか、ギスギスしたものが好まれるんですけど、疲れてくるんです。そうすると爽やかなものというか、『お互いに高め合っていいもの見せようよ』みたいなもののほうが、すごく好みになってきたりする」

――私は今、まさに高木社長とまったく同じ理由で、東京女子とDDTにハマっています。疲れ果てて行き着いた、みたいな。

「アハハハ! DDTも平和だと思いますよ。ただ、平和だからって手を抜いているわけじゃない。11月12日、両国国技館大会のメインイベントで、クリス・ブルックスと上野勇希がやるんですけど、ひと昔前であれば、メジャー団体だったらあり得ない構図だと思うんです。クリスと上野は、めちゃくちゃ仲良いんですよ。クリスがKO-D無差別級王座のベルトを獲った時、上野はリング上で涙を流してますし」

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