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高木三四郎が「ちょっと品がないな」と思っていた女子プロレス 愛川ゆず季との出会いで変化「この人だったら新しいものを作れるんじゃないか」 (2ページ目)

  • 尾崎ムギ子●文 text by Ozaki Mugiko

――愛川さんはどんな人でしたか?

「愛川さんのプロレスデビュー記者会見がすごく面白かったんですよ。それまでの女子プロレスって、『なんだてめえ、この野郎!』みたいな、男の世界をそのままやっている感じで、ちょっと品がないなと思っていたんです。愛川さんもそんな感じなのかなと思っていたら、いきなり『私の得意技はゆずポンキックです』と言い出して(笑)。『この人の感性は面白い。この人だったら新しいものを作れるんじゃないか』と思ったんですよね。

 実際、面白かったんです。もちろん髪の毛を掴まれたりとか、思い切り顔面張られたりとかしてヘロヘロになってたんですけど、すごい頑張っていて感動したんです。他の選手も、世Ⅳ虎(現・世志琥)ちゃんとか岩谷麻優さんとか、みんなすごく頑張ってて、女子プロレスって実は熱いものがあるんだなと思いました。

『品がないな』と思ってた部分も、それはそれで、感情が男子よりも剥き出しになるところがある。それで、ちょっとやってみたくなっちゃったんです。ネオ・レディースを運営していた甲田哲也さんに声を掛けて、東京女子プロレスを作ることになりました」

――ロッシー小川さんと接点があったのは本当に意外です。

「小川さんから学んだことは多いです。小川さんに『高木さん、女子プロレスでスターを作るには、どんな要素が必要だと思いますか?』と言われて、わからなかったんですよ。男子は力だったり、柔道やレスリングとか、ベースの格闘技キャリアがすごい大事なので、『格闘技のキャリアですか?』と言ったら、『違います。ルックスと若さです』と......。

――ええええっ!

「もちろんそれだけじゃなくて、格闘センスや身体能力などいろんな要素が含まれるとはおっしゃっていたんですけど。小川さんに言われたことにヒントを得て、若い子を中心に探しました。知り合いの紹介で、当時17歳の山下実優と会って。さまざまなアイドルグループのオーディションを受けていたけど、『興味があるので女子プロレスをやってみたい』といってうちに来た子だったんですよ。だから、山下ありきではありましたね」

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