井上尚弥を上回るPFP1位を目指して いとこの浩樹は現役復帰2戦目で「どれだけ進化しているかを見てもらいたい」 (4ページ目)

  • 篠﨑貴浩●取材・文 text by Shinozaki Takahiro
  • 撮影●山口裕朗 photo by Yamaguchi Hiroaki

――浩樹選手は以前、井上尚弥選手も距離感がすばらしいという話をしていました。尚弥選手は自らプレスかけて相手を下げることで距離を作っているように見えますが、それに対して、クロフォード選手は下がりながら距離を測っている感じですか?

「そうですね、クロフォードはいつも下がりながら相手をよく見て、距離を計っている感じです。相手のプレッシャーによって下がらされているのではないということ。2、3ラウンドくらいまでは相手にポイントを取られることもありますが、そこから先は一転して相手をボコボコにしていくイメージ。スペンス戦でも1ラウンドは下がっているように見えましたが、あの時点で『かなり距離を掴んでいる』と思いましたね」

――浩樹選手と階級が近い、中量級の頂上決戦はいかがでしたか?

「いや~面白かったですね。対決が待ち望まれていた無敗の2人が相まみえたという話題性もそうですけど、クロフォードの異次元の強さが見られた満足感というのか......。そんな試合が、尚弥のフルトン戦から1週間も経たずに行なわれたわけですから、本当に濃い1週間でしたよ(笑)」

――浩樹選手がひとつ階級を上げると、その先にはクロフォード選手がいます。クロフォード選手と戦うことをイメージすることもありますか?

「スペンス戦を見ている時にすごく想像しました。自分だったらどうするかなって考えましたけど、勝つのはなかなか難しそうですね(笑)。クロフォードが相手だったら、前に出続けるか、遠く離れるか......。とにかく試合終了までずっと動けるように準備しないと難しいのかなと思います」

――現状で、PFP2位の尚弥選手より上にランキングされているクロフォード選手が自分と近い階級にいるというのは、どんな気持ちですか?

「僕は前から言ってるんですけど、クロフォードには僕と戦うまでPFP1位にいてもらって、それで倒して尚弥の上に行きたいんです。あらためてクロフォードの試合を見ると『スゲェな』と思いましたけどね(笑)。やり甲斐はあります。

 そういった先のことも考えますが、とにかく次戦、いい勝ち方をして先に繋げたいです!」

【プロフィール】
■井上浩樹(いのうえ・こうき)

1992年5月11日生まれ、神奈川県座間市出身。身長178cm。いとこの井上尚弥・拓真と共に、2人の父である真吾さんの指導で小3からボクシングを始める。アマチュア戦績は130戦112勝(60KO)18敗で通算5冠。2015年12月に大橋ジムでプロデビュー。2019年4月に日本スーパーライト級王座、同年12月にWBOアジアパシフィック同級王座を獲得。2020年7月に日本同級タイトル戦で7回負傷TKO負けを喫し、引退を表明したが、2023年2月、後楽園ホールで約2年7カ月ぶりに復帰戦に臨み、スーパーライト級8回戦で、タイのライト級2位パコーン・アイエムヨッドを2回TKOで下した。17戦16勝(13KO)1敗。左ボクサーファイター。アニメやゲームが好きで、自他ともに認める「オタクボクサー」。

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