井上尚弥を上回るPFP1位を目指して いとこの浩樹は現役復帰2戦目で「どれだけ進化しているかを見てもらいたい」 (3ページ目)

  • 篠﨑貴浩●取材・文 text by Shinozaki Takahiro
  • 撮影●山口裕朗 photo by Yamaguchi Hiroaki

【将来は対戦も?PFP1位のクロフォードのすごさ】

――先日、ひとつ上の階級のウェルター級で、「パウンド・フォー・パウンド」(PFP/米老舗ボクシング専門誌『ザ・リング』選定)1位のテレンス・クロフォード選手と、エロール・スペンス Jr.選手の4団体統一戦が行なわれました。結果は、クロフォード選手が9ラウンドでTKO勝利。その試合は見ましたか?

「やはり気になるので見ましたが、正直、予想通りの内容でした。以前から、あまりスペンスの強さがわからなかった。手数が多く、どんどんプレスをかけて、相手が耐えきれなくてギブアップするという戦い方なんですけど、『クロフォード相手には通用しない』と思っていました。

 実際の試合でも、全局面でクロフォードが上回っている感じでしたね。いつもならもう少し被弾する面もありますが、今回は最後まで怖いほど冷静でしたね」

――スペンス選手は、2ラウンドにダウンを取られたことで、焦って手を出すようになったようにも見えました。

「スペンスは"打たされている"感じでしたね。必死に打っていって余裕がなくなっていき、対照的にクロフォードはどんどん冷静になっていった。1ラウンドはクロフォード選手が下がる展開でしたが、対峙した時点で、クロフォードの距離だと思って。試合開始30秒くらいで、『クロフォードが勝つ。スペンスは無理だな』と思いました」

――1ラウンドは、スペンス選手が押しているようにも見えましたが......。

「父と兄も一緒に映像を見ていたんですが、1ラウンドが終わった瞬間に僕が『距離が全然違う。これはクロフォードが勝つ』と話したら、2人は『スペンスも強い! これじゃわからない』と言っていて。でも、結果はクロフォードの圧勝だったので『なんでわかったの?』って聞かれましたよ(笑)。

 スペンスは頭の位置がよくなかったですね。L字ガードっぽいディフェンスをするんですが、構えた時の頭の位置が、クロフォードにとって1番パンチが打ちやすい場所だった。スペンスのポジショニングはかなり悪かったです。

 自分が一番打ちやすいところ、そして相手のパンチを避けやすいポジションをいかに取るか。それがボクシングでは大事。ただ、相手も同じことを考えていますから、言葉で言うのは簡単ですけど、実践することはかなり難しいですけどね」

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