井上尚弥が「6ラウンド以内にKOする」と竹原慎二はフルトン戦を予想 年内には2階級目の4団体統一が実現か? (2ページ目)

  • 篠崎貴浩●取材・文 text by Shinozaki Takahiro
  • 撮影●山口裕朗 photo by Yamaguchi Hiroaki

【フルトンはどんな戦術でくるか】

――フルトン選手の21戦全勝8KOという戦績をどう評価しますか?

「フルトン選手に驚異的なパンチ力があれば、井上選手も苦戦したかもしれませんね。KOが少なくて全勝ということは、"ごまかし"というか、試合をうまくコントロールしてポイントを取るのがうまいとも言えます。でも、それは井上選手には通用しないと思いますよ」

――フルトン選手は、どのような戦略でくると見ていますか?

「通常通りフリッカー気味のジャブを突いて、右ストレートを繰り出す。井上選手のプレッシャーを受けて下げられたらクリンチに行くでしょう。クリンチの離れ際にはフックを狙ったり、といった展開になるんじゃないかと。

 ただ、井上選手が前回闘った(ポール・)バトラーのように、極端な防御策という情けない闘い方はしないでしょう。(2021年11月に)ブランドン・フィゲロアとの無敗対決を制して、WBC・WBOの統一王者になったプライド、自分が上の階級でやってきたという自信もあるでしょうから」

――井上選手のことを、「下の階級から上げてきた選手」と見ている部分もあるでしょうか?

「あると思いますよ。自分のほうが体が大きいし、『大したことないんじゃないか』と思っている部分もあるかと。実際に試合で手を合わせたら、井上選手のスピード、瞬発力、パンチ力に驚くはずです。"ヤバい"という恐怖をリングの上で味わうんじゃないですかね」

――フルトン選手は去年6月以来、約1年ぶりの試合となります。その影響はありますか?

「それもあるでしょうけど......井上選手に負けた時の言い訳にするんじゃないですか(笑)。それは冗談としても、井上選手は今や世界的スーパースターですから、久々に試合をするフルトンも勝利に向けて気合が入っているでしょう。いい試合になると思いますよ」

――YouTubeチャンネル『渡嘉敷勝男&竹原慎二&畑山隆則 ぶっちゃけチャンネル』で、5月に大橋ジムで井上選手の練習を見る動画がアップされていましたが、その時の印象は?

「シャドーとミット打ちを見させてもらいました。その時は、リラックスして話してくれましたね。けっこう体が大きくて、まだリミット(-55.34キロ)まで8キロくらいあると話していました。邪魔になってはいけないので練習は5、6分しか見てないですけど、右のカウンターを合わせた後のダッキングを徹底してやっていましたね。フルトンのジャブに合わせた練習だと思いますが、『いい練習をしているな』と思いました。

それから僕ら3人は場所を移し、大橋会長とYouTube用の『のみトーク』を2時間くらい収録したんですが、僕らが帰るのと同じくらいに井上選手が練習を終えて帰っていきました。かなりの練習量ですね」

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