王者・坂崎ユカが明かす「やりたくない」発言の真相 挑戦者・瑞希には「無条件の愛を与えられる」けど「負けちゃいけない」 (2ページ目)

  • 尾崎ムギ子●文 text by Ozaki Mugiko
  • photo by 林ユバ

【無条件の愛を瑞希に与えられる】

――瑞希選手に対して「守りたい」とか「大好き」とか、そういった気持ちはいつ頃芽生えた?

坂崎:たぶん瑞希と対面した人だったら、時間にもよりますけど、誰でも感じるんじゃないですかね。

――ああ、わかります!

坂崎:わかりますよね!「もう、どしたのー!」みたいな。ついつい、構ってしまうというか。いわゆる、天性のアレです。さらに知れば知るほど、不安定な部分が見えたり。肉体的にも、見てのとおり細いですし。

――確かに、守ってあげたくなりますね。

坂崎:そうだし、プラプラしてるんですよ。歩いてても、小学生にストーカーされたりとか。すごい若い学生にナンパされたりとかして、心配なんです。街ですれ違う人も、惹かれるなにかがあるんでしょうね。

――瑞希選手は駅のホームでよく人にぶつかるから、坂崎選手がシュッと線路側から離すというお話もありましたね(笑)。

坂崎:そうなんです! あと看板とか、目に入るものにすごく惑わされるみたいで。話をしているのに外を向いちゃったりとか、意識が散漫なんです。守っているつもりはないんですけど、危なっかしいんですよ、奴が。

――プライベートでも遊んだりするんですか?

坂崎:すごく遊びますし、瑞希はピンポンで起こしに来ますよ。私は昼夜が逆転してて朝は起きないんですけど、瑞希が「お腹空いた」って来るんです。朝昼晩、全部食べないと損した気持ちになるらしくて。あと、私が遊んでほしい時にも「ピンポンを押して起こしてっ!!」って言ってます。

――なんだろう、その関係性は......。親友という言葉だと、ちょっと違う?

坂崎:違うと思いますね。実のきょうだいより仲がいいし、考えていることがわかる。無条件に大事にするというか、無条件の愛を瑞希に与えられるというか。

――そういう人って、本当に貴重ですよ。瑞希選手と出会えたことだけで、「プロレスラーになってよかったですね」と思うくらいに。

坂崎:はい、本当に思います。プロレスをやってなければ絶対に出会わなかったですし、たぶんこんなに深い関係になっていないと思います。

――プロレスラー同士だからこそ、関係は深まる?

坂崎:そう思います。よく言うじゃないですか。危険な目に遭って、時間を共有している人は、より関係性が深まるとか。その感じが強いんですかね。何かを一緒にやり遂げたりとか、人生を賭けて生き延びてる感じ。それを乗り越えてきた感じに近いような。

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