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朝倉未来vsメイウェザーを内山高志と矢地祐介が展望。ボクシングと総合格闘技の違いをふまえての攻略の糸口は? (3ページ目)

  • 篠崎貴浩●取材・文 text by Shinozaki Takahiro
  • photo by 日刊スポーツ/アフロ

矢地が体感した朝倉の打撃と期待

 一方、総合格闘家の矢地はどう見ているのか。2019年7月28日に「RIZIN.17」で朝倉と5分3ラウンドを闘った矢地は、打撃からのタックルで攻めたものの、朝倉のローキックを主体とした打撃で主導権を握られて0-3の判定負けを喫した。

 朝倉は、総合格闘技の戦績が16勝3敗のサウスポーのストライカー。実際に朝倉のパンチを試合で受けた矢地は、「キレがいいというか、思いきりがいいですよね。脱力してパンチを"投げてくる"感じなので、伸びてくるんですよ」と評価する。

 朝倉が主戦場としているRIZINを含めて、総合格闘技は通常1ラウンド5分で行なわれる。今回のエキシビションマッチは、ボクシングルールに準じて1ラウンド3分。単純にラウンドの時間は5分から3分と短くなるが、ふだんボクシングの練習も取り入れている矢地は「使うスタミナがまるで違う」と語る。
 
「総合なら、練習でも5分5ラウンドとか全然できちゃうんですけど、ボクシングだと3分3ラウンドでヒーヒー言ってます(笑)。総合は、戦っている最中でも体力を回復する場面を作ろうと思えば作れるんですよ。4点ポジションでの攻防とか、グラウンドでもポジションを取っちゃえば、ひと息つけることもある。

 もちろん、ボクシングでも距離が離れれば休めるとは思いますが、今回の試合でもそのシチュエーションはほぼないはず。コンタクトが多いし、常に打撃が当たるかどうかの緊張感がある距離で戦うことになるので、慣れていないと相当しんどいと思います」

 総合格闘家がボクシングルールで闘う難しさをそう話した上で、矢地はメイウェザーに対しての攻め方と期待を次のように語った。

「もう体ごといくしかないですよね。ただ、5年前に(総合格闘家の)コナー・マクレガーとも試合をしていて、ボクサーじゃないパンチもメイウェザーは対応してくると思いますけど......。でも、戦略家の朝倉選手ならそこからの攻略法を準備しているかもしれない。彼は"持ってる人"ですし、同じ総合格闘家として、何かしらインパクトを残してくれることを期待してます」

 朝倉自身も、「倒されてもいいから、1ラウンドからいきますよ」と、ペース配分を考えず最初から飛ばしていくことを示唆している。そこからメイウェザーの鉄壁ディフェンスをこじ開け、一太刀を入れることができるのか。この3分間は目が離せない。

(敬称略)

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