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朝倉未来vsメイウェザーを内山高志と矢地祐介が展望。ボクシングと総合格闘技の違いをふまえての攻略の糸口は? (2ページ目)

  • 篠崎貴浩●取材・文 text by Shinozaki Takahiro
  • photo by 日刊スポーツ/アフロ

朝倉の「先入観のなさ」がプラスに?

 とはいえ、相手は難攻不落のメイウェザー。下ろした左腕を折り曲げてボディを守る「L字ガード」と、腰と肩の回転でパンチをいなす「ショルダーロール」によるディフェンスは、名ボクサーのパンチをことごとくかわしてきた。内山は「重心はうしろに残してカウンターを狙ってきます。総合で使うオープンフィンガーグローブだとガードの隙間を狙えるんですが、大きいボクシンググローブだと難しい。メイウェザーは上半身の使い方もうまいので、顔がすごく遠くに感じると思います」と、鉄壁のディフェンスを分析する。

 今回の試合で使用するグローブは、当初は片方8オンス(約227g)だったが、10オンス(約284g)へと変更される予定だ。プロボクシングの試合は、最も軽いミニマム級からスーパーライト級(--63.50kg)までが8オンス、ウェルター級(--66.68kg)以上は10オンスが使用される。

「2人の体重でボクシングルールに準ずる場合は、10オンスが適正ではありますね。8オンスと10オンスでは、与える衝撃や大きさも全然違います。8オンスのほうが拳の衝撃がダイレクトに伝わる感じなので、KO率は10オンスのほうが下がるでしょう。大きさもひと回り違うので、ガードした時に顔が隠れる範囲も大きくなってディフェンスがしやすくなります」

 10オンスへの変更の理由は定かではない。グローブについて朝倉は「できるだけ小さいほうがよかった」とコメントしているが、そうしてよりディフェンスがしやすい条件になれば、より朝倉がパンチを当てられる可能性は低くなる。

 ただ、内山は「朝倉選手の先入観のなさがポジティブに働くはず」と語る。

「ボクサーでメイウェザーをよく知る選手ほど、『あのメイウェザー相手には勝てない』『パンチは当たらないだろう』となる。しかし朝倉選手は違って、メイウェザーと対面したあとでも『ホントに弱そう』『普通に勝てそう』とまったく臆するところがない。あれがいいんですよ」

 ビッグネームにも気おくれせず、前に出られるか。それがメイウェザーを脅かすことができるかどうかのカギになりそうだ。

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